春鰊群の分布、数量の変動が海洋条件に強く左右されるということは明治の末期ころからしられており、証明されている。沿岸の水質などの悪化で局部的には産卵鰊を寄りつかなくしたり、稚魚を殺したりしたことは無いとはいえないにしろ […]

 　彼は生前、持論としてよく、鰊は環境をつくってやらないと自然と来なくなるといっていた。河川の奥地に落葉松が植えてあったり、雑木林があると、落葉が積み重なり、その下から流れでる液や発生する虫が、早春に雪どけ水と共に川から […]

”江差の五月は江戸にもない” と北海道の繁栄を誇っていた鰊、ほっかいどうにあんなに来遊していた鰊が、なぜこんなに獲れなくなったんだろう。 　北海道の史上最高の春鰊漁獲高は明治三十年（一八九七年）の百三十万石（約九十八万㌧ […]

　各沿岸の鰊漁業者にとって、鰊の来遊接岸は実に重大な関心ごとである。もし不幸にして凶漁で漁期が終わったなどということになると、俗にいう『かまどかえし』といって倒産することになる。漁期になると鰊関係の報道に神経をとがらせて […]

私達が過去に知らされてきた北海道西海岸の春ニシンの生態は 　①沿岸の海水の温度が攝氏六度内外になると、産卵のため接岸した鰊が適地に産卵を開始し、孵化した稚魚が三か月くらいで二寸五分（七.六㌢）くらいに成長して沖へ去る。 […]

　　この風の吹き方が、各地方の鰊漁場に与える影響が大きいようだ。鰊の接岸郡来に当たり、昔からいろいろいわれている。例えば鰊は潮には強いが風に弱いとか、強い風は鰊を連れて去るといったり、鰊は風に乗ってくるとかいわれている。 […]

熊碓鰊場の図今日の熊碓海岸　鰊漁場で生活していると、天候のことを自然に覚えてくる毎日が海や天候が相手なので、好むと好まざるとにかかわらず、昨日の天候、今日の天候、明日の天候と天候の先取りをして仕事の準備やだんどりに応用し […]