五　第一次世界大戦後の雑穀商の旺盛期と衰退　製品の検査に就ては、海産物は明治三十五年早くも各産地に検査員を置き規定を設けて不完全ながら等級を分って売買の標準としていたが、農産物はその種別の多い事と、産地に依て品質の優劣の […]

四　漁業と繩莚商との関係並に雑穀に対する需要の移行　その後雑穀の出廻りが旺盛となり、輸出も盛大になると、雑穀包装用の叺、繩の外、青豌豆手亡豆、澱粉の輸出用麻袋、未粉用の通（かよい）袋、清粉用の中（なか）袋等が需要されると […]

四　漁業と繩莚商との関係並に雑穀に対する需要の移行　元来、繩莚類は農村方面の農家の手工品で、冬期の農閑期に此れを製作して、北海道の鰊製造の需要期の四月から六月迄に大部分完成して置く必要があった。ところが、その年の春鰊が不 […]

四　漁業と繩莚商との関係並に雑穀に対する需要の移行　鰊の製品に付随する商品として繩莚がある。元来鰊は生魚の儘焼いたり煮たりして食料に供するのが一般であるが、一夜に何十万何百万尾と一度に漁獲される生鰊の腐敗を防ぐ為め、大部 […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響　海産商は右の様な変遷を経つつ次第に鰊凶漁に連れて衰調を呈して来たが、昭和十五年戦時統制に依て愈々その生命を絶つ様な結果になった。即ち戦時中業界に全道的に、北海道地区商業組合が設立され、海産 […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響一『関東大震災の年の大正十一年、北見は貝柱が大漁でどんどん小樽へ委托に積んで来ました。内地の相場は電報も電話も不通で解らない、函館のスルメ相場もストップ状態で、貝柱の相場も小樽で三十五円であ […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響一『このように、海産商が盛大になるに従て、多くの地場の銀行が設立され、又取引の関係上、青森、富山方面の銀行の支店も小樽に進出し、従来の内地大銀行と並んで、海産の金融に役立った。』一『当時、業 […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響一『その頃海産物の豊富な事は、或る年倉庫の越年在庫を調査した時、板谷倉庫と製缶倉庫丈けで二十四貫入の数の子が一万俵もあったので驚ろいた。鰊粕が二十数万俵を越した事もあった。』一『その頃の海産 […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響一『その頃の仲買人は数の子なら数の子一本で一年中楽に生活したもので、それほど物が豊富であったから、一種類だけ扱って居れば宜しかった。此の人は数の子の仲買人、誰れと誰れは魚肥、ある人は海藻昆布 […]

三　海産商の盛況と鰊不漁の影響　次ぎに昭和四十年小樽経済新聞主催の「小樽の今昔座談会」の記事から抜萃して鰊時代の業界の思出を掲げて見よう。一『鰊漁の黄金時代、その製品の取引は非常に華やかであったが、此れは結局商材が豊富で […]