カテゴリー:魯山人

  • 美食多産期の腹構え(続)

    日付:2015年02月06日 カテゴリー:魯山人

     私は今なにを考えているかというと、能登に産する このわた を手に入れようとし、その卵巣の くちこ をなんとかして一刻も早く口にしたいものだと念願している。このわた は知多半島にもある。尾道にも名物はあるが、能登半島のは […]

  • 美食多産期の腹構え

    日付:2015年02月05日 カテゴリー:魯山人

     心のおもむくままに、いつも美味いものを食って、心の底から楽しんでみたい。朝も昼も晩も。犬や猫のように宛てがい扶持の食事に、その日その日をつづけることは、肉体は生きられるとしても、心の楽しみにはならない。心に楽しむ料理な […]

  • 数の子は音を食うもの(続)

    日付:2014年12月29日 カテゴリー:魯山人

     かずの子の親漁、すなわちにしんからしてそうであって、ニシンの生は煮ても焼いてもさほど美味くないが(※1)、これを一旦四つ裂きにしたのを乾物にし、それをまた水でもどしてやわらかくし、その上、料理したものは立派に美食として […]

  • 数の子は音を食うもの

    日付:2014年12月29日 カテゴリー:魯山人

     お正月になると、たいがいの人は数の子を食う。私は正月でなくても、好物として、ふだんでもよろこんで食っている。なかなか美味いものだ。  さて、どんな味があるかといわれもちょっと困るが、とにかく美味い。しかし、考えてみると […]

  • くちこ

    日付:2014年12月23日 カテゴリー:魯山人

     このごろ、酒に適する、また、美食家の気に入る美味いものの第一品は くちこ の生であろう。この生くちこは、東京には売っていない。自分たちは加州金沢から取り寄せるのである。この風味はちょっと他に類がない。このわたに似て、水 […]

  • 河豚(続々)

    日付:2014年12月21日 カテゴリー:魯山人

     下関人の話によれば下関、馬関、広島、別府方面におけるふぐの商い高は年々六十万円を下らないとほこる。これを話半分にして三十万円のふぐが年々ひとの口に入るわけだ。  それが一人前さいこうの五円当たりにして六万人分であるから […]

  • 河豚(続)

    日付:2014年12月20日 カテゴリー:魯山人

     わたしはひとがなんと思おうとかまわぬ気で告白するが、今日わたしほど美食に体験を持っている人間は世間ほとんどない。朝から晩まで、何十年来片時も欠かさず美食の実験にしたっているまったくわたしのようなものはまずないと信じられ […]

  • 河豚

    日付:2014年12月19日 カテゴリー:魯山人

     ふぐを恐ろしがって食わぬものは、「ふぐは食いたし命は惜しし」の古諺に引っかかって味覚上とんだ損失をしている。その根拠の価値をきわめもせずに、うかうか古諺に釣り込まれ惜しくも無知的判断から、いやいや常識的判断から震え上が […]

  • 私の料理ばなし

    日付:2014年12月17日 カテゴリー:魯山人

     私はイタイケな時分から、食べ物にはなかなかやかましく、養父母にうるさがられたものである。子供のくせに食品にいやに目が利き、味の良否も他に勝っていたようである。  飯も九歳の春から炊き続けて来たが、へんな飯は一度も炊いた […]