カテゴリー:乾児 絆

  • ニシン大尽 白鳥永作

    日付:2022年02月28日 カテゴリー:乾児 絆

     「とに角やりにくい所ですな特殊部落といった感じがしますよ」と着任した頃に嘆いたのは小樽市立水族館の河合館長。水族館敷地は地元祝津住民数人が地主で、貸せ貸さぬ、売れ売らぬと市当局との間でもみ続けたものである。 この祝津町 […]

  • 三馬ゴムの始祖 中村利三郎

    日付:2022年02月19日 カテゴリー:乾児 絆

     笹りんどうの前髪を垂らした三匹の馬がトレードマークの「強くてはきよい」三馬のゴム靴はいまや日本国内はいわずもがな、ソ連やアメリカにまで輸出されている。この三匹の馬はミツウマ考案の独創的なものではない。 その昔…といって […]

  • 豪商でない商人 伊勢谷 吉蔵

    日付:2022年02月06日 カテゴリー:乾児 絆

     あと五年たつと量徳小学校は開校百年を迎える。一世紀の創立記念日を控えて野口誠一郎校友会長は是非とも立派な式典を…といまから大張り切りだ。量徳校沿革史はいわば小樽市教育界の歴史そのものといってもよかろう。 学制が施された […]

  • 白足袋の回漕店主 五代 西谷庄八

    日付:2022年02月02日 カテゴリー:乾児 絆

     小樽の倉庫業界は北海道同業者のなかで最もハバをきかせていた。なにせ正式の倉庫専業会社が本邦に初めて誕生発足したのがわが小樽である。いわば形を整えた倉庫企業の草分けの地なのだ。ハバをきかせていた…と敢えて過去形を用いたに […]

  • 地酒の始祖 倉内 嘉蔵

    日付:2022年01月19日 カテゴリー:乾児 絆

     沿岸貿易はクズ貿易…などと軽視されだしたのは戦後の話。世の中あげてアメリカ一辺倒に傾いて太平洋に草木がなびくようになった昨日今日のことだ。その太平洋に尻を向けて、波荒い日本海を望む小樽は時勢時節で、いささか中だるみの感 […]

  • 樺太の材木王 増田 久五郎

    日付:2022年01月13日 カテゴリー:乾児 絆

     稲垣市長、木村会議所会頭、吉村三馬ゴム社長ら一行九十余人が戦後初めて樺太の経済視察団としてソ連船で訪れたのは昨年の秋九月下旬だった。短期間ではあったがゆく人も送る人も非常な興奮と緊張感を示したものである。 それもその筈 […]

  • 几帳面エリート 新谷専太郎

    日付:2022年01月11日 カテゴリー:乾児 絆

     十六年もの長い間、小樽市長の座について市政の要を握り続けた安達与五郎氏が初めて第一回の選挙に立起したときのライバルは自由党の推す有力な経済界のチャンピオン新谷専太郎その人だ。 小樽市民の殆んどが九分九厘新谷氏が勝つだろ […]

  • 忠義な白鼠 柴野仁吉郎

    日付:2022年01月09日 カテゴリー:乾児 絆

     柴野仁吉郎を小樽の「豪商」の一人に加えるべきかどうかについて筆者はかなり迷った。小樽港の港湾関係者で市史編さん室の諸先輩にも訊き質してみたものである。 というのもこれまで本誌に連載されてきた多くの商人はいずれも独立独歩 […]

  • 中央バス開祖 杉江仙次郎

    日付:2021年12月20日 カテゴリー:乾児 絆

     間もなく新しい年が訪れようしている昭和二十八年十二月気息えんえんの仙次郎は年来の友人、松川嘉太郎を己の病室に招いた。昏睡状態からいっとき醒めた仙次郎は自分に万一のときは中央バスのことを…と喘ぎながら言葉にした。友の顔を […]

  • ベニヤの殿様 坂口茂次郎

    日付:2021年12月18日 カテゴリー:乾児 絆

     昭和四十二年代の今日、札樽新港、或いは石狩湾新港の仮称で輸入材受入れ体制の完備を目的とする新港の造成が青写真として描かれている。この新設案に対して遠浅さの日本海沿岸の砂浜にそんな港を造ろうとする計画自体が無理だとする声 […]