だしの取り方
2015年03月10日
かつおぶしはどういうふうに選択し、どういうふうにして削るか。まず、かつおぶしの良否の簡単な選択法をご披露しよう。よいかつおぶしは、かつおとかつおとを叩き合わすと、カンカンといってまるで拍子木か、ある種の石を鳴らすみたいな音がするもの。虫の入った木のように、ポトポト音のする湿っぽい匂いのするものは悪いかつおぶし。
本節と亀節なら、亀節がよい。見た目は小さくとも、刺身にして美味しい大きさのものがやはりかつおぶしにしても美味だ。見たところ、堂々としていても、本節は大味で、値も亀節の方が安く手に入る。
次に削り方だが、まず切れ味のよい鉋を持つこと。切れ味の悪い鉋ではかつおぶしを削ることはむずかしい。赤錆になったり刃の鈍くなったもので、ゴリゴリとごつく削っていたのでは、かつおぶしがたとえ百円のものでも、五十円の値打ちすらないものになる。
どんなふうに削ったのがいいだしになるかというと、削ったかつおぶしがまるで雁皮紙のごとく薄く、ガラスのように光沢のあるものでなければならない。こういうのでないと、よいだしが出ない。削り下手なかつおぶしは、死んだだしが出る。生きたいいだしを作るには、どうしても上等のよく切れる鉋を持たねばならない。そして、だしをとる時は、グラグラっと湯のたぎるところへ、サッと入れた瞬間、充分にだしができている。それをいつまでも入れておいて、クタクタ煮るのではろくなだしは出ず、かえってあじをそこなうばかりである。いわゆる二番だしというようなものにしてはいけない。
傘の骨を折れるほどの突風、そして激しい雨、びしょぬれ。
『雪にならくて、、、。』
そば会席 小笠原
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