山十前川商店のたから

2024年12月23日

私の仕事場

マキリ

出刃包丁

どちらも30本ほどあります。

器械で研ぎます

そして、もっと大切なことは

鉄の柱(鉄道のレールと思ってください)で、

中砥

こすりつけて

次に

仕上げ砥を擦り

どちらも真平らにすることです

仕上げ砥は片方を面取りすると

面取りした方は表(包丁を研ぐ面)

もう一方はそのままにして裏面(台にのせる面)とします

しのぎを削る作業が終わったら、

必ずグラインダーの面を

真平らにすること

根室から標津まで来てくださった、Ýさんに教わりました。

 

実は私、包丁砥ぎ器もグラインダーも使ったことがなかったので、砥石だけで研いでいました。

『裁割の時はマキリを使います。ヘッドカットの時は出刃包丁を使います。メフン取りの時はマキリとメフン掻きを…。一作業ごとにマキリ、出刃包丁を研ぐのです。一日に研ぐ本数は約二百本でした。…。』

 

ときどき、「おっ、切れる!」という声もきこえました( ^ω^)

が・・・。

 

「切れな~い、切れな~い。」という言葉に、心が折れそうになりました。

 

一日中、研いでいたため、裁割の仕事に参加できないことがほとんどでした。

 

おかげで指の皮がめくれ、スマートフォンの指紋認証もできなくなりました。

 

『もう心が折れそう…。』(イクラづくりの最初の仕事、裁割(さいかつ)で気持ちよく仕事してもらうことが私の楽しみでもありましたので、思うように研げず、しょんぼり…。)

そんな時

「励ましの言葉ですよ。」と何度も、言ってくれたのが、oh~no~さんでした(十数年、北海道を自転車で巡ってから、やって来ているそうです。大変お世話になりました。いただいたトバ、届けましたよ。)。

 

根室から応援に来てくれた方々と話す機会ができました。

『刃先が短くなったマキリの使い道は…。』

「イカ刺し作りに良いですよ~。」

『そういえば、函館の朝市でも短い包丁やペティナイフでイカソーメンを作っていましたよ。…。』

などなど。

 

『根室に研ぎの上手な方がいらっしゃるそうですね…。教えてくれないかな~。』

 

次の日の朝、さっそく、Ýさんがやって来てくれました。

Ýさんは、以前、刃物を扱っての仕事をしていましたので、刃物の重要性を十分に理解し、ポイント、ポイント丁寧に教えてくれました。

 

もう二日遅かったら、私の心と体は、完全に折れていたことでしょう。

Ýさんが言っていました。

「手で、研ぐのは、無理です。…。」

私もそう思っています。(蕎麦包丁や刺身包丁、菜切り包丁はじっくりと時間をかけて研いでいましたが、鮭バイは〝時間との戦〟)

 

そして、

『二週間、手で研いでいた自分を、手で研ぐことは絶対に無理だということを証明した自分をほめてあげたいと思います…。』

 

根室の本社では、包丁を研ぐ方が複数名いるそうです。

『Ýさんの指導で可能になっているのでしょう。』

「Ýさんは砥ぎ場にはおらず別の仕事等々をしているため、挨拶ができませんでした。」と、同じ寮のメンバーが言っていました。

 

山十前川商店には、Ýさんと同じ たから が、たくさんいるんだな と感じた修行の旅でした。

 

●重要な刃の裏研ぎ

 どの砥石でも、表つまり右手に包丁を持って右側の刃の部分を砥石に当てて研いだら、反対側の平らな裏を砥ぐ。(裏研ぎ)。もちろんこれは和包丁での話で、両刃になっている洋包丁や三徳包丁とは表裏の研ぎは異なる。和包丁の裏側はほぼ平らなのでこれを砥石にぴったりと着けて研ぐ。ただし研ぎ過ぎてはいけない。表と裏の研ぐ比率は8対2か7対3。おもてがそれほどうまく研げなかった場合でも、裏側がじょうずに研げると、切れ味は良くなる。

『Ýさんも裏側の研ぎの重要性を話していました。…。』

 

いつもは朝4:30に着く新潟からのフェリーが

7時30分頃

やって来ました

 

さて…