小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例(全文)~10

2022年01月01日

小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例

(平成4年3月31日)

(小樽市条例第17号)

 小樽には、先人の豊かな感性とたゆみない努力によって築き上げられた独自の文化や歴史、港湾都市としての魅力ある雰囲気などの財産がある。これらは、天与の恵まれた海・山・坂とともに、変化に富んだ四季の移り変りの中で独自の都市景観を形成している。

 次代を担う子供達が郷土を愛し、未来に夢と誇りを持てるように、小樽の個性と文化を育て、更に好ましい都市景観を後世に残し、潤いと活力のあるまちづくりをすすめることが、いま、わたしたちに求められている。

 都市景観は、市民一人ひとりの生活意識や価値観が背景となって形成され、それは市民文化を反映した総合的な都市としての印象であり、姿である。

 都市景観形成の主役は、わたくしたち市民である。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、小樽市の良好な都市景観を保全し、育成し、及び創出することにより、歴史と自然にはぐくまれた小樽らしい魅力あるまちづくりを進め、市民文化の向上に資する事を目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1)都市景観の形成 良好な都市景観の保全、育成及び創出をいう。

(2)建造物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物および同条第2号に規定する特殊建築物幷これ等の建築物以外の工作物等で規定で定めるものをいう。

(3)広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物及びこれらを掲出し、又は表示するための工作物等をいう。

(4)歴史的建造物 小樽市にとって歴史的かつ文化的に価値が高い建築物及びこれと一体をなす工作物で規則で定めるものをいう。

(5)景観形成重要建築物等 良好な都市景観を形成する上で重要な建築物等として市長が指定するものをいう。

(6)重要眺望地点 特に小樽を代表する眺望の場所として広く市民に親しまれている公園、山頂等で、支庁が指定する場所をいう。

(7)特別景観形成地区 小樽らしい都市景観の形成を図るため、特に重要な地区として市長が指定する地区をいう。

(8)景観形成地区 特別景観形成地区以外の地区で、都市景観の形成を図る必要がある地区として市長が指定する地区をいう。

(都市景観の形成)

第3条 市民、事業者、市外に住所を有する者で、市内に土地、建物等又は広告物を有するもの(以下「関係人」という。)及び市長は、相互に協力して、歴史的な建築物及び街並みの保全並びに育成、周辺の景観との調和に配慮した建築物等及び広告物の創出、緑化の推進等に努めなければならない。

(市長の責務)

第4条 市長は、都市景観の形成を図るため、総合的な施策を策定し、これを実施する責務を有する。

2 市長は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、市民及び事業者の意見が反映されるように努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、自ら都市景観形成の主体であることを認識し、相互に協力して積極的に都市景観の形成に寄与するように努めなければならない。

2 市民は、市長が実施する都市景観の形成についての施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、その事業活動を進めるに当たって、小樽らしい地域特性に配慮し、積極的に都市景観の形成に寄与するよう努めなければならない。

2 事業者は市長が実施する都市景観の形成についての施策に協力しなければならない。

(関係人の責務)

第7条 関係人は、その所有する物の管理または使用を通じて、市長が実施する都市景観の形成についての施策に協力しなければならない。

(財産権等の尊重及び公益との調整)

第8条 この条例の運用に当たっては、関係者の財産権その他の権利を尊重するとともに、公共事業その他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 審議会

(審議会の設置)

第9条 市長の附属機関として、小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、都市景観の形成についての基本となる重要な事項その他市長が必要と認める事項について調査し、及び審議するものとする。

(組織及び運営)

第10条 審議会の組織及び運営について必要な事項は、規則で定める。

坂の街では屋根越しの街の風景を記憶する(祝津の日和山灯台を望む)

第3章 都市景観の形成

第1節 総合的な施策の推進

(都市景観形成基本計画の策定)

第11条 市長は、都市景観の形成を総合的かつ計画的に進めるため、その基本となる都市景観形成基本計画(以下「基本計画」という)を策定するものとする。

2 市長は基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は基本計画を定めたときは、速やかに、これを告示しなければならない。

(先導的役割)

第12条 市長は、道路、公園、その他の公共施設を建設し、設置し、又は整備するときは、都市景観の形成に先導的役割を果たすように努めるものとする。

(関連施策の推進)

第13条 市長は、自然環境の保全、街の美化運動の推進、市民文化の振興其の外都市景観の形成に寄与する施策を積極的に推進する様に努めるものとする。

(国等に対する協力要請)

第14条 市長は、必要があると認めるときは、国若しく他の地方公共団体又はこれらが設立した団体(以下「国等」という。)に対し、都市景観の形成について協力を要請するものとする。

(市民意識の高揚等)

第15条 市長は、都市景観の形成について、市民、事業者及び関係人の意識を高め、又は知識の普及を図るために必要な措置を講ずるものとする。

明るい港の雰囲気を創出している小樽港マリーナ

第2節 歴史的建造物

(登録歴史的建造物)

第16条 教育委員会は、審議会の意見を聴いて、歴史的建造物として保全すべきものを小樽市登録歴史的建造物(以下「登録歴史的建造物)という。)として登録することができる。

2 教育委員会は、前項の規定により登録歴史的建造物として登録したときは、当該登録歴史的建造物の所有者及び使用者にその旨を通知するものとする。

3 前項の規定は、登録歴史的建造物の登録を抹消する場合について準用する。

(指定歴史的建造物)

第17条 教育委員会は、審議会の意見を聴いて、登録歴史的建造物のうち特に重要と認めるものを小樽市指定歴史的建造物(以下「指定歴史的建造物」という。)として指定することができる。

2 教育委員会は、指定歴史的建造物に指定しようとするときは、あらかじめ、当該登録歴史的建造物の所有者及び使用者から同意を得なければならない。

3 教育委員会は、前各項の規定により指定歴建造物を指定したときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。

4 第1項及び前項の規定は、指定歴史的建造物の指定を解除する場合について準備する。この場合において、教育委員会は、その旨を当該指定歴史的建造物の所有者及び使用者に通知するものとする。

(保全計画)

第18条 教育委員会は、あらかじめ、審議会の意見を聴いて、登録歴史的建造物の保全についての計画(以下「保全計画」という。)を作成したときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。

(行為の届出)

第19条 登録歴史的建造物の所有者または使用者は、当該登録歴史的建造物について次に掲げる行為をしようとするときは、規定に定めるところにより、あらかじめ、教育委員会にその旨を届け出なければならない。ただし、登録の際、既に着手していた行為については、この限りでない。

(1)増築、改築、移転又は全部若しくは一部の除却

(2)外観を変更することとなる修繕、模様替え又は色彩の変更

(3)前2号に掲げるもののほか、外観保全に支障を及ぼすおそれのある行為

2 前項の規定は、国等が行う行為については適用しない。この場合において、当該国等は、その行為を行おうとするときは、あらかじめ、教育委員会と協議するものとする。

(指導、助言及び勧告)

第20条 教育委員会は、前条第1項の規定に依る届出があった場合において、登録歴史的建造物の保全のため必要があると認めるときは、当該登録歴史的建造物の所有者または使用者に対して、指導、助言又は勧告することができる。

第3節 特別景観形成地区等(特別景観形成地区の指定等)

第21条 市長は、小樽らしい都市景観の形成を図るために特に重要な地区で、次の各号のいずれかに該当するものを特別景観形成地区として指定することができる。

(1) 景観形成重要建等周辺地区(景観形成重要建築物等を含む地域で、市長が景観形成重要建築物等と調和した都市景観の形成を図る必要があると認める地区をいう。)

(2) 拠点的景観形成地区(市長が、小樽らしさを代表し、かつ、重要な街角又は広場等として都市景観の形成を図る必要があると認める地区をいう。)

(3) 重要眺望景観地区(市長が、重要眺望地点からの良好な眺望景観の保全を図るために建築物等の規制を行う必要があると認める当該重要眺望地点の周辺地区をいう。)

(4) 歴史的景観地区(歴史的建造物を含み、歴史的景観を形成している地区で、市長が、当該歴史的建造物と調和のとれた整備を図る必要があると認める地区をいう。)

(5) 新都市景観形成地区(市長が、活力と潤いのあるまちづくりを進める上で、新しく生まれ変わる街並みとして都市景観の形成を図っていく必要があると認める地区をいう。)

(6) 港湾景観形成地区(港湾及びその周辺地区で、市長が、都市景観の形成を図る必要があると認める地区をいう。)

(7) 前各号に掲げるもののほか、市長が、特に特別景観形成地区として指定する必要があると認める地区

旧上勢勇吉商店(指定歴建第23号) 旧川又健一郎商店(指定歴建第15号)

日本銀行小樽支店(指定歴建第14号) 潮見台浄水場

(※旧川又健一郎商店については個人的見解です。本文では旧早川商店)

2 市長は、特別景観形成地区を指定しようとするときは、あらかじめ、当該地区の住民並びに当該地区内に事業所を有する法人及び当該地区内に所在する土地、事業所を有する法人及び及び当該地区内に所在する土地、建築物等又は広告物の所有者(以下「住民等」という。)の意見を聴くとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、特別景観形成地区を指定したときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。

4 前2項の規定は、特別景観形成地区を変更し、又は指定を解除する場合について準用する。

(景観形成地区の指定等)

第22条 市長は、特別景観形成地区以外の地区で、都市景観の形成を図る必要があると認める次の各号のいずれかに当該するものを、景観形成地区として指定することができる。

(1) 住宅又は商業、工業若しくは港湾の施設等が集合して特徴的な景観を形成している地区で、都市景観の形成を図っていく必要のある地区

(2) 田園、集落等が自然景観と一体となって特徴的な景観形成をしている地区で、都市景観の形成を図っていく必要がある地区

(3) 連続して特徴的な景観を形成している道路及びその沿道又は河川、海岸及びその沿岸で、都市景観の形成を図っていく必要のある地区

(4) 特徴的な景観を形成している街角広場、公園等で、都市景観の形成を図っていく必要のある地区

(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が、特に景観の形成を図っていく必要のある地区

2 前条第2項から第4項までの規定は、景観形成地区の指定、変更及び解除について準用する。

(地区景観形成計画及び地区景観形成基準)

第23条 市長は、第21条第1項及び前条第1項の指定をするときは、基本計画の趣旨に添って、当該地区の都市景観の形成についての計画(以下「地区景観形成計画」という。)および基準(以下「地区景観形成基準)という。)を定めるものとする。

2 地区景観形成計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 都市景観の形成の基本目標

(2) 道路、公園その他の公共施設についての都市景観の形成についての方針

(3) その外都市景観の形成について必要な事項

3 地区景観形成基準は、地区景観形成計画に基づき、次に掲げる事項のうち必要なものについて定めるものとする。

(1) 建築物等及び広告物の規模、位置、形態及び色彩

(2) 土地の区画形質

(3) 樹木の伐採又は植栽

(4) その他市長が必要と認める事項

4 第21条第2項から第4項までの規定は、地区景観形成計画及び地区景観形成基準の決定並びに変更について準用する。

(行為の届出)

第24条 特別景観形成地区および景観形成地区において、次に掲げる行為をしようとする者は、規定に定めるところにより、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。

(1) 建築物等(登録歴史的建造物を除く。)の新築、増築、改築、移転、除却(部分的な除却を含む)又は外観を変更することとなる修繕、模様替え若しくは色彩の変更

(2) 広告物の設置、改造、移転、修繕又は表示の変更

(3) 土地の区画形質の変更

(4) 樹木の伐採又は植栽

(5) その他都市景観の形成に影響を及ぼすおそれのある行為で市長が別に定めるもの

2 前項の規定は、次に掲げる行為には適用しない。ただし、第3号又は第4号に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、市長と協議するものとする。

(1) 通常の管理行為その他の行為で市長が別に定めるもの

(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(3) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第15項に規定する都市計画事業による行為又はこれに順じる行為として市長が別に定めた行為

(4) 国等による行為

(指導、助言勧告)

第25条 市長は、前条第1項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が当該地区の地区景観形成計画及び地区景観形成基準に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、都市景観の形成を図るため必要な措置を講ずるよう指導、助言又は勧告することができる。

(空地の利用等について)

第26条 市長は、特別景観形成地区又は景観形成地区内で、著しく景観を阻害していると認める空地、建築物等又は広告物について、その所有者、占有者又は管理者に対し、都市景観の形成に配慮した利用又は管理を図るよう指導助言又は勧告をすることができる。

第4節 大規模建築物

(大規模建築物等の新築等の届出)

第27条 特別景観形成地区および景観形成地区以外において、都市景観の形成に大きな影響を及ぼすものとして市長が別に定める大規模な建築物等(以下「大規模建築等」という。)の新築、増築、移転、大規模な修繕若しくは模様替え又は外観の色彩の変更その他市長が規則で定める行為を行おうとする者は、規則に定めるところにより、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。

2 第24条第2項の規定は、前項の場合について準用する。

(大規模建築物等景観形成指針)

第28条 市長は、基本計画に基づき、大規模建築物等に係る都市景観の形成のtラメの指針(以下「大規模建築物等景観形成指針」という。)をさだめるものとする。

2 市長は、大規模建築物等景観形成指針を定めようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、大規模建築物等景観形成指針を定めたときは、速やかに、その旨を告示しなければならない。

(指導、助言及び勧告)

第29条 市長は、第27条第1項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が大規模建築物等景観形成指針に適合しないと認めるときは、その届出でをした者に対し、都市景観の形成を図るための必要な措置を講ずるよう指導、助言又は勧告をすることができる。

日本銀行小樽支店(指定歴建第14号)

第5節 緑の保全及び育成

(保存樹木等の指定)

第30条 市長は、審議会の意見を聴いて、地域の美観風致を維持し、都市景観の形成を図るために保存する必要があると認める樹木、又は保全する必要があると認める樹木の集団若しくは湿地性植物群落(以下「樹木等」という。)で、市長が別に定める基準に適合するものを、保存樹木、保全樹木又は保全湿地性植物群落(以下「保存樹木等」という。)として指定することができる。ただし、国等が所有し、もしくは管理するもの又は他の法令によりその保存等について定めがあるものについては、この限りではない。

2 市長は、保存樹木等について、指定しようとするときは、あらかじめ、当該樹木等の所有者または管理者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。

3 所有者等は、保存樹木等について保有又は保全できない理由が生じたときは、市長に対し、当該保存樹木等の解除を申請することができる。

4 第17条第3項及び第4項の規定は、保存樹木等の指定及び解除について準用する。

(保存樹木等の保全)

第31条 保全樹木等の所有者等は、当該保全樹木等について枯損を防止するなどその健全な育成及び保存又は保全に努めなければならない。

2 保存樹木等の所有者等は、保存樹木等が減失し、又は枯死したときは、速やかに、その旨を市長に届け出なければならない。

(現状変更行為の届出等)

第32条 保存樹木等の伐採その他その現状を変更し、又はその性行くに影響を及ぼす行為をしようとする所有者等は、規則に定めるところにより、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。ただし、保育のために行なわれる通常の行為については、この限りでない。

2 市長は、前項の規定による届あった場合において、保存樹木等の保育又は保全上必要があると認めるときは、その届け出をした所有者等に対し、必要な措置を講ずるよう指導、助言又は勧告をすることができる。

(公共施設等の緑化)

第33条 市長は、公共施設の緑化その他緑の育成及び保全についての事業の実施に努めなければならない。

(開発行為等における緑化)

第34条 都市計画法第4条第12項に規定する開発行為その他市長が別に定める行為(以下「開発行為等」という)をしようとする者は、規則に定めるところにより、あらかじめ、植生の維持または回復に配慮した緑化に係る計画書を、市長に提出しなければならない。

2 市長は、必要があると認めるときは、開発行為等を行う者に対し、必要な資同、助言又は勧告をすることができる。

(事業所等の緑化)

第35条 事業者は、工場その他の事業種痘の敷地内において、樹木の植栽その他の緑化の推進に努めなければならない。

2 事業者は、規則で定める建築物等の建築をしようとするときは、規則の定めるところにより、あらかじめ当該建築物等の敷地内の緑化に係る計画書を、市長に提出しなければならない。

3 市長は、必要があると認めるときは、事業者に対し、必要な資同、助言又は勧告をすることができる。

(緑の週間)

第36条 市長は、緑化運動を推進し、市民の緑化思想の普及及び緑に対する市民意識の向上を図るため、毎年緑の週間を定めるものとする。

特別景観形成地区内の銀行建築物(旧三井銀行小樽支店:現さくら銀行小樽支店)

第4章 市民参加の景観形成

(まちづくり景観協議会)

第37条 市長は、一定の地区内の住民等により構成され団体で、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当していると認められるものをまちづくり景観協議会として認定することができる。

(1) その団体が、地区における都市景観の形成を図ることにより、住み良いまちづくりを推進することを目的として設立されたものであり、現にその活動を行っていると認められること。

(2) その団体が、当該地区の住民等の多数により構成されていること。

(3) その団体の活動が、当該地区の住民等の多数の支持を得ていること。

(4) その団体の活動が、他人の所有権その他の権利を不当に制限していないこと。

(5) 規則で定める要件を満たしている団体規約が定められていること。

2 前項に規定する認定を受けようとする団体の代表者は、市長が別に定めるところにより申請しなければならない。

3 市長は、第1項の規定により認定したまちづくり景観協議会が同項各号のいずれかに該当しなくなったことを認めるとき又は適切に運営されていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

(まちづくり景観提案)

第38条 街づくり景観協議会は、当該地区の都市景観の形成に係る提案をまちづくり景観提案として策定し、市長に提出することができる。

2 市長は、都市景観の形成を図る施策の策定及び実施に当たっては、前項のまちづくり景観提案に配慮するように努める。

(街づくり景観協定)

第39条 まちづくり景観協議会その他の一定の地区内の住民等により構成された団体は、街づくり景観協定を締結することができる。

2 前項に規定するまちづくり景観協定は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当していると認められるものでなければならない。

(1)当該地区内における都市景観の形成を図ることにより、住み良いまちづくりを推進することを目的としていること。

(2) その組織が、当該地区の住民等の多数により構成されていること。

(3) 協定の内容が、当該地区の住民等の多数の支持を得ていること。

(4) 協定内容が、他人の所有権その他の権利を不当に制限していないこと。

(5) 規則で定める事項を記載したまちづくり景観協定書が作成されていること。

3 まちづくり景観協定の認定を受けようとする団体の代表者は、規則に定めるところにより、市長に申請しなければならない。

4 市長は、前項の申請があったとき、その内容が都市景観形成に寄与し、かつ、第2項各号に掲げる要件のすべてに該当するものであるかどうかを審査し、該当していると認めるときは、まちづくり景観協定として認定するとともに、その旨を申請者に通知するものとする。

5 前項の認定を受けたものは、規則に定めるところにより、速やかに、まちづくり景観協定の管理及び運営に当たるためのまちづくり景観協定運営委員会を設立し、市長に対し、その旨を届け出なければならない。

6 街づくり景観協定運営委員会の代表者は、当該まちづくり景観協定を変更したときは、その内容を市長に届け出て、その変更部分についての認定を受けなければならない。

7 第2項から第4項までの規定は、まちづく景観協定の変更について準用する。

8 まちづくり景観協定運営委員会の代表者は、第5項の規定により届け出た内容に変更を生じたときは、規則に定めるところにより、速やかに、市長に対しその旨を届け出なければならない。

9 まちづくり景観協定運営委員会の代表者は、まちづくり景観協定を廃止したときは、規則に定めるところにより、速やかに、市長に対しその旨を届け出なければならない。

10 市長は、前項の届出を受理したとき又はまちづくり景観協定の内容が第2項各号のいずれかに該当しなくなった認めるとき若しくは適切に管理若しくは運営されていないと認める時は、第4項及び第7項の認定を取り消すことができる。

11 市長は、前項の規定に基づきまちづくり景観協定の認定を取り消したときは、速やかに、当該街づくり景観協定運営委員会の代表者にその旨を通知するものとする。

第5章 表彰、助成等

(表彰)

第40条 市長は、都市景観の形成に寄与していると認める建築物等その他の物件について、その所有者、設計者、施行者等を表彰することができる。

2 市長は、前項に掲げるもののほか、都市景観の形成に著しく貢献したものを表彰することができる。

(助成等)

第41条 市長は、まちづくり景観協議会及び街づくり景観協定運営委員会に対し、技術的助成を行い、又は予算の範囲内においてその活動に要する経費の一部を助成することができる。

2 市長は、登録歴史的建造物の保全等都市景観の形成のために、特に必要と認めるもので規則に定めるものについて、技術的助成、融資のあっせん等を行い、又は予算の範囲内においてそれに要する費用の一部を助成することができる。

3 市長は、都市景観の形成上特に重要な建築物等又は土地を買取ることができる。

旧日本郵船小樽支店(国指定重要文化財)

第6章 雑則

(委任)

第42条 この条例に定めるもののほか、この条例の施工について必要な事項は、市長及び教育委員会が定める。

附則

(施工期日)

1 この条例は、平成4年4月1日から施行する

(関係条例の廃止)

2 小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例(昭和58年小樽市条例第25号)は、廃止する。

(経過措置)

3 前項の規定に依る廃止前の小樽市歴史的建造物及び景観地区保全条例(以下「旧条例」という。)第5条第1項の規定により指定された歴史的建造物は第17条第1項の規定により指定された指定歴史的建造物とみなし、旧条例第5条第2項の規則により指定された景観地区は第21条第1項の規定により指定された特別景観地区とみなす。

4 旧条例第6条第1項の規定により定められた保全計画は第18条第1項の規定により定められた保全計画とみなし、旧条例第6条第2項の規定により定められた保全計画は第23条第1項の規定により定められた地区景観形成計画及び地区景観形成基準とみなす。

海と山に囲まれた街、小樽〔毛無山展望所より〕

そして

小樽の歴史と自然を生かしたまちづくり景観条例のあらまし

は、こういう言葉で 締めくくっています。