明治・大正の小樽をみる(その12) 93

2019年12月24日

 謹賀新年、私がこのHISTORY PLAZAを担当してから今回で93号を迎えた。皆さんには、何かとご支援いただき厚くお礼を申し上げたい。

 新春の本号では、昔の小樽の花柳界について紹介したい。写真の説明は省き、写真を撮影した写真館について、記述してみたいと思う。

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 北海道の中でも、函館と小樽は歴史があり、写真技術の優れた写真館が小樽に存在する。

 特に、明治時代から有名だったのは、佐久間写真館と本間写真館などであり、現在でも当時の写真が古書店でも貴重なものとして扱われている。

 このうち、本間写真館の創業は1904年(明治37年)である。住ノ江町にあった三浦写真館の跡地に1907年(明治40年)まで開業していた。そして、同年に現在の色内1丁目に移り、現在も盛業である。

 初代館主は、本間儀兵衛さんで人格者であった。本人は1920年(大正9年)に東京に転居することになり、2代目館主は、門下の増田時四郎さんが引継ぎ、3代目は増田武さん、そして4代目は、現在の増田道彦さんに至っている。

 撮影、現像、引伸ばしと、共に高度な技術を要するもので、門下はじめ区民からも‶先生〟と呼ばれていた。

 レンズは、ドイツのテッサ―を使うなど、この本間写真館は、全道的にも高く評価された写真館である。

 掲載の写真は、この本間写真館で撮影されたものである。サイズは、若干縮小しているが、ほぼ原寸大である。次頁の写真の比率も調和が取れていて、大紙も厚手の紙をつかったデラックスなものである。次頁Fは、大正初期の広告である。

これが F かな

小樽市史軟解 4 岩坂桂二

月刊ラブおたる

HISTORY PLAZA 93