2017年01月30日

広谷　順吉　小樽区

　安政五年三月、青森県下北郡風間浦村に父理輔の三男として生る。明治一三年渡道、函館で漁業。同一八年函館汽船会社を創立して社長に就任。同二七年小樽に移り、海陸物産を扱い、汽船運送業に従事した。明治三四年に重役をしていた小樽貯蓄銀行破綻、責を負って、一切の公職を辞任し、専ら古平、美国、宗谷、枝幸などの所有漁業の経営に当る。

　これより先、枝幸で砂金炭鉱を発見し、中川一介と共同して、之が採掘を行い枝幸地方の砂金採掘の始めとされる。

　露領ニコライスクにも出漁したが、同業者間の競走激しく、かつ露国官憲厳しく利が薄かったために、明治三三年頃出漁を廃ししている。

　昭和初期、枝幸に、広谷敏蔵名の鰊定置漁業権が二統あった。