『歌が語る小樽 その2』 22
2016年10月06日
昭和6年、本市はスケールの大きな小樽開港博覧会を開催した。
その折に小樽新聞社は「小樽小唄」を全国募集し、二つの曲が懸賞当選歌として誕生した。
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みなと小樽はナァ よい港よい港
並ぶマストは おぼろ月
花は黄金(こがね)の波に散る
花はナァ 黄金の波に散る 波に散る
高橋掬太郎作詞、佐々木紅華作曲で、唄は朝居丸子でレコード化している。
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エゾもなつかし ハマナス咲いて
ピリカ メノコの浜踊り
奥地帰りの松前ぶねも
神威岬が越えらりょうか
昔恋しい 小樽の港
作詞は本道在住の小松鬼子雄(この人の息子さんは学校長を務め、その後北海道教育委員会に勤務し、現在は札幌近郊に住んでいる)、作曲は同じく佐々木紅華で、唄は意外に思われるかも知れないが、淡谷のり子が唄っているのである。
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昭和12年、開道70年を記念し小樽で開催された北海道大博覧会において、小樽新聞社選歌として、北海道行進歌が発表された。歌は4番まであるが、小樽にかかわる歌詞は4番に出てくる。
いまぞ小樽の 商港に
山なす殖産(とみ)を縦横の
船路の文(ふみ)に 織りなしの
展く豪華の 大絵巻
北海博の けんらんに
文化のひかり 讃(たた)へずや
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新民謡オタモイ音頭というレコードもある。北海道金瓢会募集一等当選、小樽商工会議所推せんで佐々木紅華が作曲している。
かすむ恋路のオタモイ浜はヨンヤサ
波の花散る波の花散るむれ砂ソレ
サット振袖引かしゃんせ
ソラ ソーラン ドットコセ
この唄は歌詞が8番まであり、A面の4番までは歌丸が吹込み、B面の5番から8番まで富勇が吹込んでいるのがおもしろい。
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昭和25年、小樽開港50周年港まつりについては以前に紹介したが、改めて2曲の懸賞当選歌をふり返ってみたい。
ほのぼのと
今日も出船のドラから明けりゃ
踊る朝日に気もおどる
心楽しや あの日のままの
波のゆりかご ゆられてゆれる
かもめ唄えよ想い出の
ああ港 夢の小樽よ
岡きよし作詞、平川英夫作曲、歌手が高倉敏の「夢の小樽」。
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咲いてうれしい 文化の花よ
波に港に街々に ソレ
踊った踊った ヨイサッサ
ヨヨイトコ小樽は ヨイヨイのヨイヨイ
ヨイ
三村鴻太郎作詞、服部逸郎作曲、唄が赤坂小梅と鶴田六郎の「小樽港音頭」。
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昭和33年に小樽と札幌で開催された北海道博覧会にも小樽小唄が2曲ある。
港小樽は 出船のドラで
いつも夜が明け また日が暮れる
暮れる街には あの娘の肌の
色によく似た 月が出る
トコ シャンシャン シャンツル
ツルテン 月が出る
石本美由起作詞、上原げんと作曲で、島倉千代子が唄った「小樽小唄」は、曲の発表に本人が来樽している。
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一度一度おいでと かもめでさえも
羽の扇で さし招く
船にゃ 船にゃ 繁昌の積荷の山よ
小樽音頭は 仲よく丸く
サッサ踊った 手拍子揃えて
ヨイヤサッサ
作詞、作曲は「小樽小唄」と同じで、唄が若山彰・関真紀子の「小樽音頭」である。
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1月号に続き小樽に関係する歌を綴ってみたが、その中で小樽小唄はいくつもあるし、何年の何の催しの時の歌と、思い出しながら口ずさんでいただきたい。
昭和33年の北海道博覧会で小樽小唄をレコードに吹込んだ島倉千代子(中央)が小樽商工会議所を訪れる。
~HISTORY PLAZA 22
小樽市史軟解 第1巻 岩坂 桂二
月刊ラブ 平成元年5月~3年10月号連載より
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