北海道の地名 (4) 小樽市内 祝津 

2017年09月20日

祝津 しゅくず

 小樽湾の西北角の土地の名。前のころは「しゅくずし」と呼んでいた。元禄郷帳にも「しくずし」とあり、古い時代からコタンのあった処らしい。上原熊次郎地名考は「シクズシ。夷語シクトゥルなり。則野韮と訳す。此所野韮又はあさつきなど多くある故字になすといふ」と書き、永田地名解は「シクトゥッ shikutut。山葱(やまらっきょう)。満山皆葱。祝津(しくとち)村と称す。」と書いた。知里博士はこの地名をshi-kut-ush-i(全くの・岩崖・群生する・場所)ではなかろうかとの説を持っておられた。和人は古くはここを場所の中心としていたが、後にそれを高島に移したのだという。

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高島 たかしま

 小樽市内の字名。旧郡名、旧町名。小樽湾の西北岸の地で、ここに運上屋があり、この地方の大中心地であった。明治に入って高島郡が設けられたが後小樽市の中に入った。和名なのかアイヌ語から来た名なのかはっきりしない。昔から、トゥカリショ(tukar-isho 海豹・岩)説とともに、和名で高い島だという説、また鷹に似た岩説、鷹がとまる岩という説も書かれて来た。アイヌ語だったのなら、あるいはトゥカㇽ・シュマ(tukar-shuma 海豹・岩)とも呼ばれていて、それから訛って、高島と呼ばれたと考えられないだろうか。

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