小樽運河②「赤い運河」
2016年10月05日
この絵は「小樽運河を守る会」をはじめたころ(一九七三年)のスケッチをもとにしている。
当時の運河には、まだ多くの艀(はしけ)や引き船が出入りしてた。・・・最盛時、石造倉庫百七十棟、艀六百隻、港湾労働者三千人、豆撰(より)女工六千人を記録している。・・・運河の北端(画面奥)手宮地区はハマのかせぎ人の街である。手宮公園(画面右上黒い丘)を出発した道内初のメーデーが一九二六年。マルセイユ、上海、の労働者が支援のメッセージを寄せた港湾ゼネストは一九二七年。
まさにこの運河が舞台であった。小林多喜二は、ハマとハマで働く人々を愛情深く、そしてリアルに描いた。何度も書いた。・・・幅四十㍍、長さ千三百二十㍍。の湾曲した運河には、まさに小樽っ子の百年の汗と血と涙がしみこんでいる。小樽っ子の十一年にわたる運河を守る運動と全面保存を求める全国からの大きな声もむなしく、小樽運河は道路づくりのため、その姿を変えた。無残無念である。
~1986.12.11より
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