川又商店(旧早川支店) (総覧 日本の建築 小樽関係抜粋より)⑰

2016年02月14日

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小樽市色内2-4-27

明治38年(1905)

市指定歴史的建造物

設計猪狩某

木骨石造2階

149㎡

非公開

 明治37年に稲穂町で発生した火災は、延々27時間にわたり燃え続け2400戸が罹災する大火となった。ほとんどが焼け野原となった中に木骨石造倉庫だけが焼け残る。この大家を教訓に木骨石造の商家が多く建つようになる。川又商店は、その復興第1号といわれる。

 大火前に建てられたいくつかの木骨石造商家には洋風要素が多く見られたのに対して、大火後は在来の和風防火造町屋に近いものとなる。川又商店はその典型でよう風意匠が見られず、袖壁の浮彫りも、朝日、鶴亀、松など日本的なものを題材としている。

 昭和4、5年頃店舗の後方に木造2階建ての住宅が増築される。請負は中村組(中村駒吉)。端正なデザインで、木の肌合いが店舗の石肌と美しいコントラストをなしている。内外とも旧状をよく残しており、小樽の木骨石造商家の代表例といえる。

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~総覧 日本の建築 小樽関係抜粋より

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 ※『この建物を再建したのは誰?』