旧早川支店 (現・川又商店) (小樽市教育委員会より)⑬
2016年02月10日
明治29年、新潟出身の川又健一郎氏が茶、紙、文房具を商う早川商店の暖簾分けを受けて独立し、現在の場所に支店を開設したのがはじまりで、後に川又商店と店名を変更して今日に至っています。
開設当初の建物は、明治37年に発生した稲穂大火で全焼したため再建されたのがこの建物です。大火直後に建設されたせいもあり、厚い土塗りの防火戸や左隣との境界に設けられた袖壁など、防火に対する配慮がうかがわれます。開口部や袖壁形式などは伝統的和風意匠でまとめられており、袖壁には、朝日、鶴と亀などの彫刻が施されています。全体としてよく旧態をとどめており、代表的商家建築のひとつと云えます。
梲(うだつ)~色内通りなどにある古い石造商店の軒下につけられている袖壁(写真左)梲の一種です。本来の梲は梁上の束柱を意味し、〈上から押さえつけられて、なかなか出世できない〉という意味の「梲が上がらない」という言葉も、ここから来ています。
※『この建物を再建したのは早川商店?』
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