立正佼成会小樽支部
2015年05月25日
本道では珍しい正面はカワラぶきのヘイの立正佼成会
~ヒノキの土台 60年全く狂いなし~
小樽で手広く海産商をやっていた遠藤又兵衛という人の私邸で、建ててから五十六年というから、明治四十四、五年ごろの建て物らしい。
立正佼成会の支部になったのは三十九年四月、その前十年ぐらい北炭の寮、その前は代議士をやった山本厚三氏が住んでいた。つまり現在四代目ということになる。
もともと個人の住宅だがロの字型で真ん中が庭園、後ろ側は土蔵で、昔のお屋敷といった感じ。部屋は十九あって便所も上、中、下の三カ所あり、この家ができたころは女中さんが十四人も住み込んでいたそうだ。
木造一部二階建てだが、建て物は延べ七百八十五平方㍍、何しろ広い。天井が高く、普通の家なら畳から天井までせいぜい二・七㍍ぐらいなのに、ここは階下の各部屋とも四・五㍍もある。ヒノキの土台なのでいたみも腐りもなく、やがて六十年になるというのにフスマの建てつけは全く狂いがない。地震にも台風にもビクともしないように天井裏には三〇㌢以上もある太いハリが縦横に組み合わせている。
材料と手間を惜しまず作った建て物という感じ。
道内ではちょっと見られないのは正面のヘイであろう。建て物に合わせて白壁にカワラぶき、今でこそ毎日正門はあいているが、昔は特殊な日しか正門を開かず、くぐり戸だけを使用していたという。
新築当時はマキストーブ、ほかに五百㍗の電気ストーブも使っていたらしいが、何しろ本州とそっくりそのままのものを建てたので不便もある。
『天井が高くて夏は涼しく快適だが、冬は大変なんですよ。』と安達佳正同支部長もニガ笑いしている。
~小樽の建築 北海タイムス
昭和43年7月24日~8月11日連載より
《指定第4号》
高い天井
洋室はもっと高いと感じました
新築当初はマキストーブ
『一年に一度の見学会は昨日で終了。見学したい方は、来年のこの時期に期待しましょう。』
そば会席 小笠原
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