ジョセフ・U・クロフォードと幌内鉄道
2015年11月28日
ジョセフ・U・クロフォードは、1842年アメリカペンシルヴァニア州で生まれた。
1878年(明治11年)、土木技師として信望を集めていた彼は、その辣腕を買われ、北海道の鉄道開発事業に携わるべく来日。鉄道敷設の技師長とし活躍することとなる。36歳の時である。
1881年(明治14年)任務を遂行し帰国。その後、鉄道関係の重職を歴任し、83歳で没。日本政府は彼の多大な功績を顕彰し、特に勲三等瑞宝章を贈った。
北海道の鉄道は、政府の“北海道開発と北辺の防備”の目的で設置された開拓使によって計画され、1871年(明治4年)には具体的な立案の段階に入った。
鉄道建築兼土木顧問となったクロフォードは、着任の翌年、難所を克服して手宮・銭函間の馬車道の開通に成功、鉄道建設の足掛かりを作った。
彼はこれまでの“石狩川利用案に反対し、札幌・小樽間の鉄道建設を強固に提唱。この建言を入れて幌内鉄道建設は着手され、1880年(明治13年)、北海道最初の鉄道が札幌・手宮間に完成した。
幌内鉄道の機関庫は、我国最古の機関庫となり、現在鉄道記念館として貴重な古典SLを静態保存、併設の資料館は往時を彷彿とさせる。
幌内鉄道は、時代の変遷とともに廃線となったが、記念館に構内立つクロフォードの銅像は、今もロコモートのフロンティア・スピリットを見つめ続けている。
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