鰊場のうた(3)~網起こしのうた
2015年01月08日
鰊の建網の構造を簡単にいうと、蚊帳を逆さにしたような状態にして、陸側の中央部分を口前といって鰊の乗網しやすいように常時口前の前垂網を下げておく。そして口前の真ん中のへんより陸に垣網(手綱ともいう)を張っておく。ニシンが郡来(ぐんらい)し沿岸ぞいに来遊したとき、垣網にぶつかりそのまま沖の方へ出ていくと、建網の口前からしぜんと胴網(身網ともいう)に入る仕掛けになっている。
胴網は上ズト立揚げ(枠船の定位置)、尻ズト立揚げ(起こし船の定位置)が両端の起点になっており、その中に大体長さ六十㍍~六十五㍍前後、幅二十㍍内外のもので、側網、敷網からなりたっていて、海上に面した縁網の部分に浮子(あば)をつけ浮かしてあるので、この長四角い胴網に鰊が非常に乗網しやすいように仕立てられている。
鰊が胴網に入ると、枠船の上で鰊の状態を監視していた船頭は、ころあいをみて起こし船に網起こしを命じ、口前の前垂網を引網で引上げ口前を塞ぐ。尻ズトで待機していた起こし船の十六、七人くらいの若い衆が、船べりの立場に舳(へさき)から艫(とも)まで一列横隊に並び、これから網起こしのうたに入るのである。
やーせい ヤーセイ
やーせい ヤーセイ
やーせい ヤーセイ
えんやせ エーンヤサ
えーんやせ エーンヤサ
えーんやせ エーンヤサ
網起こしは鰊の乗網した胴網の尻ズトの方から、大勢の若い衆が順序良く呼吸と力を合わせ一糸乱れずに行動することが大切で、しかも網と船と人間の力を平均に保つことが絶対の要素である。
たとえば船の艫の方の網起こしが若干早く、舳の方の網起こしが若干遅れたとなると、何十㌧も乗網していた鰊が起こし遅れた沖の側へ一挙に突っ込んでくる。この鰊の勢いで網が破られ、せっかくここまで攻め込んできた鰊が全部逃げられ、網も使えなくなるという場面が生じる。たとえ網が破られないまでも、均衡のくずれた状態をもとの状態に戻すまで大変なことである。若い衆は疲れる。貴重な時間の浪費となっていく。
だから起こし船には、艫の方に起こし船頭、舳の方に表係船頭を配置して万全を期している。この二人の責任者は網起こし中、たえず船全体の行動を見ていなければならない。そして胴網の沖の側と、陸の側に張ってある繰り綱というロープを、船の艫、舳についている”綱ぐり”という部分にまき、これを若い衆全員の網起こしと合わせて、手で操作し船の平均を保っていく。
※群来 (ぐんらい)~鰊が大群で来遊接岸すること
※群来 (くき) ~鰊が産卵すること
※群来汁(くきじる)~鰊の大群が来遊して産卵すると近海一帯の海水が白亜色となることをいう
小樽祭りで聞いたかけ声と似ているような
今日はどんど焼き
赤灯台も見えます
天上寺方面
3隻
列車を目掛けて大波がこの後、満潮
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