春の山野草
2023年05月23日
「料理も王者の根性が大切だ。ラジオ・テレビに使われる粗末な料理では、しみったれた、つまらない人間ばかり生まれるだろう。それが心配になる。およそ生きとし生けるものは、食餌に十分な理解が入用だ。獣も鳥も虫も魚も、みな相当に理解しているようだ。立派な人間は立派な食物を理解しなければ、不見識の譏りを免れまい。」
春が来ると、冬場の味、あのなんだかこもったような持ち味がボーと間のびして抜けて来る。味覚の上から春の訪れを感じ、季節の変わり目を覚える。どうしたわけか、魚や鳥、お芋など、みな興を魅かなくなる。もちろん、大根のようなもの、白菜、カリフラワーの如きにも……。春寒にもめげず萌え出たものに向かって、興をそそられるようになる。わらび、よめな、たんぽぽ、せり、菜花、ふき、たけのこなど。海のものでは、ハマグリ、アサリ、サザエなど、細かな味わいの貝類を。魯山人が好んで食膳にのせた山野草料理を思い出してみよう。
春の山野草は勢いよくのびる力、それを感じさせる強い風味がある。それが春の山野草のうまさである。この風味は、内容深くこもっては感じない。(わらびは別)それゆえ調理上大切なことは、
①若くて新鮮なものを用いること。
②煮すぎたり、ゆで過ぎないこと。
③付け味をできるだけ少な目にして、持ち味を際立たせること。
などが挙げられよう。「海にフグ、山にわらび」この二つ、実に日本の最高美食としての好一対……とは、魯山人自身のことばだが、わらびはもちろん採りたてでなければいけない。型の如くゆでてアクを抜き、酢醤油で食べる。
「これが実に無味の味で、味覚の器官を最高度にまで働かせねば止まない」
ものだと言う。あの口当たりの粘りに心を託して、一心不乱に味わってほしい。
……
より
今年のストック分は前回で十二分に採れたのですが…
『酢醤油で味わってみよう。』
『以前食べたわらびの漬物、なかなか味わい深かったので、挑戦してみよう!』
朝5時 でかけました
アク抜き中
そば会席 小笠原
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