大正・昭和初期における小樽有情の息吹(その3) 96

2019年12月21日

 1931年(昭和6年)小樽で開催された海港博覧会は、大成功であった。

 本号では、その博覧会で内外からお客さんを魅了した地元芸妓による舞踊(特設会場演芸館)を紹介したい。

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 「雛鶴三番」の立方は、小壽づ、小吉、小つる、桃代、仲子。「青海派」の立方は、五郎、ふくべ。「小樽小唄」の立方は、小吉、ふくべ、五郎、小壽づ、小つる、お葉、桃代、芳栄、ふみ次、とんぼ、福松。以上は、昭和見番本店連中である。

 次に、昭和見番文展連中による「岸の柳」の立方は、三三男、君勇、お多福、君番、一八、和哥丸、繁勇、妙子、奴、時代、喜久代、小国。「小樽小唄」の立方は、舞鶴、福助、福奴、福美、小奴、お芳、喜久代、奴、繁勇、お多福、栄美子であった。

 このほか、「多摩川」「三保の松」の舞踊が披露された。

 中央見番連中による「四季の詠」の立方は、金矢、小千代、勝勇、笑子、駒勇、とし子、礼子、眞弓、まり子、元丸、三福、てまり、〆太、八重子、竹奴、ひな菊、喜栄子、容子。

「岸の柳」の立方は、花千代、喜栄子。「廓八景」の立方は、竹丸、千代松であった。

 このように、地元小樽の芸妓は、本式の踊りを披露して拍手を浴びたのである。

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A

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 写真Bは、北斗見番の春駒、

C

写真Cは、昭和本店のはん子(左)と昭和見番分店のやなぎ(右)。

D

写真Dは、北斗見番の八重。

E

 写真Eは、北斗見番若手の半玉。左より長松、玉栄。中央は三福。右上よりひな子、千代美。

F

写真Fは、昭和見番本店の小豊(左)と奴。いずれも大正末期、昭和初期に小樽で活躍した芸者連である。

 

小樽市史軟解 4 岩坂桂二

月刊ラブおたる

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