大家倉庫と大家七平
2016年04月12日
大家家は現在の加賀市の北前船主で、船商売を始めたのは2代目七三郎の時代である。4代目にあたる七平は、先代がこれまで築き上げた基盤に、さらに大きな業績をあげ、生来の気質と商業手腕でより大きな発展をもたらした。明治8年には洋・和船合わせて10隻とし、さらに同24年以降、いち早く西洋型帆船を汽船に乗り変えるなど、先見には非凡なものがあった。同29年シベリア諸港との船路を開設。国内においても金・銀・銅山、硫黄砿の採掘輸出並びに大阪瓦斯事業(大阪ガス)、保険業(日本火災海上保険(株))の経営にも参画した。昭和4年没。
大家倉庫は七平が明治24年に穀物・雑貨の自家倉庫として建てたものである。切妻屋根に越屋根をあげたバシリカ形を特徴とし前面に∧七の屋号がついている。外壁は札幌軟石が使用され、内部は幅34㎝の柱が左右5本ずつ用いられ、小屋組は洋式のクインポスト・トラスで組み立てられている。写真にある倉前の差掛は当時本船から艀取りし、運河より荷揚げされた穀物等の作業場として使われていた。
現在は、子供のみならず大人にも夢を与えてくれるおもちゃランドとして生まれ変わっているが、運河のシンボルとしての姿は昔のままである。
~おたる 歴史への誘い
月刊ラブ おたる 平成2年4月号~4年12月号連載より
《指定第1号》
125年間建っても健在です
そば会席 小笠原
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