旧日本郵船株式会社小樽支店のあらまし~1

2015年05月22日

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CIMG9872船入澗

 

 重要文化財旧日本郵船株式会社小樽支店は明治37年着工、同39年10月に竣工した近世ヨーロッパ復興様式の石造2階建建築です。設計者は工部大学校第1期卒業生の佐立七次郎、施工は地元の大工棟梁山口岩吉があたり、工費は当時の金額で約6万円でした。明治36年に大火羅災したため、新事務所建築を計画したものと思われます。当時、小樽は北海道開拓の拠点都市として商業港湾機能を充実しつつあり、船舶・海運・倉庫業界が競って、船入澗を設置し石造倉庫を建てました。また、明治後半から一流建築家達が当時の最先端の技術で様式建築を建て、代表的作品を残しました。この建物はその草創期の象徴的存在です。完工間もない明治39年11月にはポーツマス条約に基づく日露の樺太国境画定会議が2階会議室で開かれ、会議終了後、隣の貴賓室で祝杯が交わされたという歴史的遺構でもあります。

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CIMG9887会議が行われた場所

CIMG9888祝杯が交わされた場所