岡田三郎と潮陵高校
2015年09月15日
月刊ラブおたる
平成2年4月号~4年12月号
「あゝ潮陵に暁鐘は鳴る」で始まる北海道庁立小樽中学校(現潮陵高校)の校歌は、伊藤整の自伝的小説「若い詩人の肖像」のそれに触れたくだりがあるように、岡田三郎の作詞である。
彼は明治23年、大網元の三男として松前に生まれた。14歳の時に稼業が傾き、伯父を頼って小樽を訪れる。樽中時代の5年間と、兵営の前後合わせて2年間余りの官吏時代をここで過ごす。
その後上京、早稲田大学在学中に「涯なき路」で頭画を現し、文壇生活に入る。彼は“自然主義最後の作家”といわれ、作品は一般に「私小説」と呼ばれるものである。画家挫折、4度の結婚、逃避行と、波乱に満ちた生涯を送った。64歳で没。
庁立小樽中学校は明治35年に創立された。当時の小樽の人口は約7万人で、仮校舎(元劇場)での開校となった。翌年には全校生徒数224名、5学級編成となる。
80余年の歴史の中で内外の情勢に伴い、学制も再三変転し、校舎も火災による増改築を繰り返した。昭和23年には校名を“北海道立小樽高等学校”と改称、更に同25年“北海道小樽潮陵高等学校”となり、男女共学が実施され現在に至る。
同校からは既に2万3千人余りの同窓生が巣立ち、潮陵精神を胸に広く社会に貢献している。
仮校舎 星川座(明35.4~35.11使用)
潮陵80年史より
そば会席 小笠原
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