旧青山別邸
2015年03月28日
安政2年(1855年)山形に生まれた彼は父留吉と共に来道、祝津に居を構える。親子二代に亘り財を成し、最盛期の大正7年、娘夫婦と共に別荘の建築を開始する。
にしん大尽(大尽・最高の贅の限りを尽くせる大金持ちの意)と呼ばれた彼は、元場(にしん御殿)とは異なる芸術的建築物を目指し、6年の歳月と約31万円(当時の銀行員の給料が40円、ビール1本が31銭であった)の建築費を費やし完成させたものである。
大量のけやきを酒田より運び、軒下にはすべて手彫りによる彫刻が施され、床・柱はけやきの春慶塗りの豪壮な建築物は、北海道では珍しい瓦葺屋根となっている。
また、紫檀・こくたん・タガヤサン・杉・つげを使った書院づくりの床の間、ふすま絵・書は日本画の巨匠が描いたものである。
平成元年より旧青山別邸として一般公開され、当時を偲ばせる建築物として、多くの見学者が訪れる。
~「おたる 歴史への誘い 」
月刊ラブ おたる
平成2年4月号~4年12月号連載より
そば会席 小笠原
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