ハシケ荷役
2015年03月01日
明治、大正時代にかけ、小樽港の貨物の荷役はハシケにとっていた。ハシケ荷役に従事した港湾労働者は、沖仲仕、陸仲仕(陸方ともいう)、ハシケ人夫、倉仲仕などに分けられた。
沖仲仕は、停泊した本船から貨物をハシケに下ろしたり、逆にハシケから船に積み込む作業。十人から十五人のグループで行ったが、ウィンチでつり上げた貨物が落下したりして、危険が伴う仕事だけに「口も荒いが気も荒い」気風で、港湾労働者の花形だった。
貨物を積んだハシケは引き船に引っ張られ、運河に入る。ハシケと岸との間に歩み板が渡され、ハシケ人夫が担がせてくれた荷物を陸仲仕が倉庫に運び入れる。蔵からハシケに荷運ぶ時も、倉仲仕に担がせてもらう。荷を運ぶだけの単純な仕事とはいえ、力がなければ勤まらない。米二俵(一俵六十キロ)ぐらい軽々と担げないようなら、一人前の扱いをされなかった。これらの労務者は「定夫」と呼ばれる業者の常雇いと、朝早く波止場近くに集まって臨時に仕事をもらう者とがいた。臨時雇用者は沖仲仕とハシケ人夫を「ゴモ」、陸仲仕、倉仲仕を「割り込み」といった。
そば会席 小笠原
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