定山和尚と朝里
2015年01月21日
〇文久元年張碓にやってくる
札幌の定山渓温泉は、朝里川温泉と共に、札幌近郊の温泉街として忘年会等で賑わいます。その名の由来は、定山和尚が湯治場を拓いたことからというのは有名です。
しかし定山渓を拓く前は、旧朝里村大字張碓村の漁業を営む野村治兵衛方に寄居していたことを知る人は少ないのではないでしょうか。
1861年(文久元年)から小樽内漁場を中心に熱心な教化に努めました大男で力持ちであったため、時には漁の手伝いもしたとの事です。
そのため、ここ朝里新光地区にも、定山和尚ゆかりのものが多く残されています。
〇北への教化を志す
定山和尚は、備前(岡山県)赤坂村のお坊さんの次男として生まれました。17歳から各地を巡り修行を続け、福山(現松前町)を経て、久遠郡太田村(現大成町太田)の太田山大権現の別当になります。ここは、当時西蝦夷随一の霊場と言われており、ここの別当時代に松浦武四郎や前出の野村治兵衛の知己を得ます。これらの情報によって、さらに北への教化を志したのでしょう。
〇朝里の人に慕われた定山和尚
一説に寄れば、別当職の先代からの世継ぎが美味くいかずうまく行かず、仮別当として2~3年奉仕したようです。しかし、その人徳はすばらしく、また人柄もやさしく、子供達もよくなついたといいます。
たった2~3年の仮別当でありながら、朝里にやってきても、太田の別当または太田の法印と呼ばれていたのがよく分かります。付近の村をまわっての祈祷も実に真摯で評判でした。朝里にお小夜清吉地蔵を建立し、弔ったり、とても慈愛に満ちた人柄でもありました。
札幌で湯治場経営をしていた晩年になっても、現在の小樽定山渓線の測量をしたのですから、小樽の浜への思いは強かったのでしょう。
小樽定山渓線 朝里小学校前 昨日
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